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シェアオフィスを利用するメリットは?他オフィスとの違いや選び方を解説
2024.09.23
個人事業主やフリーランスの自由な働き方が増えてきた昨今、注目されているのがシェアオフィスです。シェアオフィスは、賃貸オフィスを契約するのに比べて費用が抑えられるため、起業したばかりの小規模事業者にも向いています。本記事では、シェアオフィスを契約するメリットやほかのオフィス形態との違い、シェアオフィスを選ぶときの比較ポイントについて解説します。
シェアオフィスを利用するメリットは?
シェアオフィスは、複数の法人や個人が仕事場を共有するオフィスです。オフィス内にはデスクが設置されていますが、基本的に決まった席はありません。利用者は、フロア内の自由な場所を選んで使います。シェアオフィスは、ビジネスを円滑にするさまざまなメリットを備えています。ここでは、シェアオフィスのメリットについて紹介します。
初期費用を削減できる
シェアオフィスを利用すれば、一般的な賃貸オフィスに比べて初期費用を削減できます。賃貸オフィスの契約には、数か月分の敷金・礼金に加えて、不動産会社に仲介を依頼した場合は仲介手数料も必要です。賃貸オフィスは、内装工事や什器・備品にかかる費用が大きくなります。それに対して、シェアオフィスは敷金・礼金が不要なケースが多く、入会金などが発生したとしても賃貸オフィスほど初期費用は高くなりません。オフィス内の設備も一通りそろっていて、まとまった初期コストをかけずに事業をスタートできます。
ランニングコストを削減できる
通常のオフィスを運営するためには、光熱費や通信費、消耗品費を負担しなければなりません。しかし、シェアオフィスは利用料に光熱費などのランニングコストが含まれています。また、賃貸オフィスで会議室や休憩スペースを設けようとすると、規模が大きくなって賃料が高くなります。共用の会議室やラウンジを利用できるシェアオフィスなら、日常業務に必要な執務スペースを借りるだけで済むため、固定費を低く抑えられるでしょう。
有益なコミュニケーションが取りやすい
シェアオフィスにはさまざまな業種の人たちが集まっているため、仕事を通じて自然と交流が生まれます。とくにフリーランスや個人事業主、起業したばかりの経営者にとっては、人脈を広げるチャンスです。シェアオフィスでは日常的に異なる企業の人たちと顔を合わせるので、近くのデスクで仕事をしていた他社の人と話がはずむこともあります。ちょっとした会話をきっかけに新しいアイディアが浮かんだり、新規顧客の獲得につながったりと、大きなビジネスチャンスを得られる可能性があるでしょう。
共有施設が使える
シェアオフィスでは、執務スペース以外に共用施設が用意されています。会議室やセミナールームは基本的に予約制ですが、クライアントを招いて商談やミーティングをおこなうときは、オープンなワークスペースよりも会議室を利用したほうがよいでしょう。ラウンジや休憩スペースは、リフレッシュするための空間として用意されています。コーヒーやお茶などのドリンクサーバーが提供されていたり、軽食を楽しめたりする施設もあります。仕事のモチベーションを上げるための要素として、リフレッシュスペースの充実度を重視して、シェアオフィスを選ぶ人もいるほどです。
オフィスの縮小・拡大が柔軟にできる
シェアオフィスはプランの変更が柔軟にできるため、オフィスの規模を変えたいときはすぐに対応できます。一般のオフィスは、事業規模が大きくなって従業員の人数が増えた場合、より広いオフィスに移転することを検討する必要があります。一方、シェアオフィスは利用人数が増えたらプランを変更したり、増えた人数分の料金を追加で支払ったりするだけで、オフィスの拡大が可能です。縮小する場合も、借りるスペースを小さくすればよいので、手軽にオフィス規模の変更ができるでしょう。
シェアオフィスと似ている4つのオフィスの違いは?
オフィスの形態はさまざまで、シェアオフィス以外にも「レンタルオフィス」「サテライトオフィス」「コワーキングスペース」「バーチャルオフィス」といった形態が登場しています。シェアオフィスと混同されがちなこれらのオフィスが、それぞれどのような特徴をもっているのか知っておきましょう。
レンタルオフィス
シェアオフィスには固定の席がなくフリーアドレス型なのに対して、レンタルオフィスは専用の個室を契約します。個室にはカギがかけられ、オフィス用品や備品は部屋ごとに備えられています。固定電話の設置も可能です。オフィス用品などをほかの利用者と共用で使うシェアオフィスは、プライバシーや所有物の取り扱いに気をつかいます。しかし、レンタルオフィスは個室空間が確保されているため、重要書類などの管理がしやすいでしょう。シェアオフィスは個人や小規模事業者に向いていますが、レンタルオフィスは個室の規模を選べるため、個人の利用だけでなく中小規模の事業者に適しています。
サテライトオフィス
サテライトオフィスは、企業の拠点から離れた場所にあるオフィスを指します。サテライトとは「衛星」という意味の言葉で、本社とは離れた地方にオフィスを設置することにより、地方の人材を確保するというねらいがあります。サテライトオフィスは支社や支店と似ていますが、その目的は社員の通勤にかかる負担を減らし、仕事に集中できる環境を整えることです。また、業務を分散させることで、企業は本社の規模を小さく抑えられ、運営の効率がよくなるという効果があります。サテライトオフィスには「専用型」と「共用型」の2パターンがあり、専用型は自社のメンバーだけで利用するオフィスです。共用型は複数の企業や個人事業主が同じワークスペースを共用する形態で、シェアオフィスやコワーキングスペースが活用されています。サテライトオフィスが本拠地から分散して設置されているオフィスなのに対して、シェアオフィスは本拠地の有無を問いません。
コワーキングスペース
コワーキングスペースでは、シェアオフィスと同じように、空いている席を自由に使ってひとつの空間で複数企業の人たちが仕事をします。コワーキングスペースがシェアオフィスと大きく違うのは、人同士のつながりが重視されている点です。コワーキングスペースでは、利用者同士のコミュニケーションをつうじて、人脈づくりや新たなアイディアの発見につながることが期待できます。フリーアドレスで自由に仕事ができますが、個室などの執務スペースは用意されていないケースが多いでしょう。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスは仮想の事務所であり、実体がありません。物理的な建物がないため、シェアオフィスのように仕事場としての機能はもっていませんが、事業用の住所として設定するために貸し出されています。バーチャルオフィスの基本サービスには、法人登記用の住所や電話番号の貸し出しが含まれていることが多いです。郵便物の受け取りや転送も、基本料金内で対応している場合があります。法人登記をする際に住所が必要な事業者は、バーチャルオフィスを利用することで、通常のオフィスを契約するよりも初期費用や賃料、光熱費などの出費を抑えられるでしょう。バーチャルオフィスのメリットは、都心のビジネス一等地の住所を低コストで借りられることです。一等地の賃貸オフィスは賃料が高額になりますが、バーチャルオフィスは一般のオフィスに比べて安価な費用で住所を借りられるため、企業としてのイメージアップをはかれるでしょう。
シェアオフィスを選ぶポイントは?
シェアオフィスを選択する際のポイントの一例は「立地」「価格」「サービス」「セキュリティ」「個室の有無」などがあげられます。どんなシェアオフィスが適しているかは異なるため、契約前に内覧や見学をして、自社に合ったオフィスを選びましょう。
立地
シェアオフィスの立地は、企業イメージを左右します。個人事業主やフリーランスが自分の仕事場として使うだけなら、通勤のしやすさを優先しても問題ないでしょう。しかし、取引先に出向く機会が多い場合や、オフィスに来客があるような業種の場合は、交通アクセスを重視する必要があります。主要駅から近い場所にあるシェアオフィスを借りることで、営業活動がスムーズになるだけでなく、顧客にもよい印象を与えられるでしょう。好立地のシェアオフィスを借りるときの注意点は、郊外に比べて利用料が高く設定されているという点です。立地にこだわりすぎると利用料が負担になってしまう場合もあるので、注意しましょう。
価格
シェアオフィスの利用料は、月額制と時間制の2パターンがあります。月額制の場合は、月々の利用料が定額で決められています。時間制は、オフィスを使った時間のぶんだけ料金を支払うシステムです。オフィスを毎日使うなら定額制をおすすめしますが、あまり頻繁に使用しないなら、一時利用の時間単価制が向いているでしょう。シェアオフィスの基本料金にどんな項目が含まれているかは、運営会社によって異なります。光熱費やインターネット回線の使用料、清掃費などが基本料金内に入っているかどうか、事前に確認しましょう。会議室やプリンターの利用料、荷物の受け取りサービスなどは、オプションで別料金となっているケースもあります。
機能・サービス
設備やサービスの充実度も、大切なチェックポイントです。事業主がひとりで仕事をするだけなら小さめの執務スペースがあれば十分ですが、会議やミーティングを定期的におこなうのであれば、会議室の機能が整ったシェアオフィスを選ぶとよいでしょう。Web会議に対応した機器が揃っているか、プロジェクターやマイクなどの備品が用意されているかといったポイントを確認してください。個室の有無も、オフィスによって違います。共用の執務スペースだけでなく、専用の空間を確保したい場合は、個室の貸し出しに対応しているシェアオフィスを選択しましょう。フリードリンクや軽食の提供はあるか、シャワールームはあるか、トイレの数は十分かどうかなど、細かいところまで見ておきましょう。
規模の大きさ
シェアオフィスは、共有の執務スペースを使うことで利用料を節約できるのがメリットですが、フリーアドレスで席が自由なので、使いたいときに座席が埋まってしまっている場合があります。規模の小さいシェアオフィスだと、すぐに満席になってしまうことがあるうえ、狭いデスクで周囲に気をつかいながら仕事をするという状況になりかねません。席の確保が心配であれば、広めで座席数にゆとりのあるオフィスを借りるとよいでしょう。専用個室を借りられるシェアオフィスであっても、個室の空間に十分な広さがあるかどうかは重要なポイントです。
スタッフの有無
スタッフが常駐していないシェアオフィスもありますが、受付を配置しているオフィスでは一部の業務をスタッフに代行してもらえます。たとえば、郵便物のあずかりサービスや来客対応、秘書代行などを頼めば、ひとりで業務をおこなっている個人事業主は仕事の負担が減るでしょう。スタッフによるサポートのメニューは、オフィスによって違います。希望するサポート内容が提供されているか、対応時間や曜日は決まっているかといった点を、事前に調べておきましょう。
利用時間
24時間利用できるシェアオフィスは、都合に合わせていつでも使えますが、なかには利用時間が限定されているケースや、土日・祝日は利用不可というケースもあります。急な対応でオフィスを利用することが想定されるのであれば、24時間対応のシェアオフィスを探すとよいでしょう。
セキュリティ面
シェアオフィスではさまざまな企業の人が同じ空間で仕事をしているため、秘密保持や個人情報保護の面はとくに配慮する必要があります。プリンターで印刷するときにパスワードの設定ができるか、パソコン画面を他人からのぞき込まれないような位置にデスクが配置されているかどうかなど、セキュリティ面も要チェックです。インターネットは無料のWi-Fiを提供しているシェアオフィスが大半ですが、契約者全員が同じIDやパスワードを使用する場合は、パソコンなどから情報を読み取られる可能性があります。また、不審者の侵入を防ぐための対策が取られているかも確認しましょう。入退室管理システムで利用者の出入りがきちんと管理されているか、防犯カメラが主要な箇所に設置されているかチェックしてください。
契約の内容
契約時には、更新料や解約の違約金、退去の際にかかるクリーニング費用などの契約内容を詳細に把握しておきましょう。解約のタイミングによっては、高い違約金を支払わなければならない場合もあります。月額料金が安くても、更新料や違約金が大きな出費になる事例があるので、注意してください。年単位で契約する必要がある賃貸オフィスとは違い、月単位など短い期間で契約できるのがシェアオフィスの特徴です。ただし、契約期間は運営元によってそれぞれ設定されているため、よく確認しておきましょう。
まとめ
シェアオフィスは、共用の執務スペースを借りることで月額の利用料を抑えられるというメリットがあります。セキュリティ面やサービスの利便性などを考慮して、はたらきやすい環境の整ったシェアオフィスを選びましょう。専用の個室スペースを重視したい場合は、レンタルオフィスの利用もおすすめです。レンタルオフィスのWORKPHILでは、個人向けのソロワークプランと、3~6名までのオフィスプランをご提供しています。24時間ご利用可能なWORKPHILのレンタルオフィスは会員制で、ICカードによる入退館管理や防犯カメラによるセキュリティ対策を徹底しています。Web会議に対応したミーティングルームや、フリードリンクなどのサービスも充実しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。